クツワムシ

 これも確か小3の頃。ペット店で見かけたクツワムシの枯葉のようなルックスに激しく惹かれ、どうしても欲しくなり、それでも当時は勝手にものを買うことを親から禁じられていたから、しかたなく、「これ、公園で見つけたんだよー」と嘘をついて何とかことなきを得た……となればよかったのだけれど、4歳下の妹にことの真相を漏らしたのが拙かった。そこからばれた。内緒にしとけっていったのに。
 玄関の下駄箱の上に置いておいたクツワムシは、ずいぶんとまあ、夜ごとにやかましい音を立てていたものです。ただし、これは記憶違いかもしれない。もしかすると、冤罪かもしれない。が、少なくとも、「クツクツクツクツ」などと、『Dr.スランプ』にあったようなかわいらしい声でなかったことは確か。