週刊新潮3月4日号

池田晶子「死に方上手」42より。

言葉なんて、タダだし、誰でも使えるし、世の中は言葉だらけだし、なんでそんなものが価値なのだろうと、人は言うだろう。しかし、違う。言葉は交換価値なのではなくて、価値そのものなのだ。相対的な価値ではなくて、絶対的な価値なのだ。誰でも使えるタダのものだからこそ、言葉は人間の価値なのだ。安い言葉が安い人間を示すのは、誰もが直感している人の世の真実である。安い言葉は安い人間を示し、正しい言葉は正しい人間を示す。それなら、言葉とは、値段そのもの、その言葉を話すその人間との価値を、明々白々示すものではないか。

池田さん、この先週刊新潮と仲良くやっていけるかなあ・・・。