斎藤美奈子「文学的商品学」*6

 小説をストーリーやテーマではなく、そこに出てくる「商品」に眼目を当ててる評論集。と、試みとしてはパッと見面白そうなんだけれど、個人的には取り上げられている小説に縁がないものが多く、あまり深く入り込めず。渡辺淳一失楽園」か。読んでないからな。でも平成も16年になってこの小説を突かれても、みたいなところはある。つまり、あの小説にルサンチマンを抱き続けている人間が未だにいるってことなのかな、こういう本が出るってことは。高橋源一郎も、当時、マジに貶してたからなあ。(付記。斎藤さんには、一度池田晶子の本を評論してもらいたいです。てゆーか、やったことあるのかな。寡聞にして知らない。)