毒抜き

 なにもせず、ぼーっと川を眺める。ついでに、空を眺める。ああ、でかいなあ、と小学生のような感想を抱く。でかくて、きれいだ。川べりでは、若い親子がボール遊びに興じていて、普段なら「平和」なんて語にあまりピンとは来ないのだけれど、こうした光景には、ほんと、心から「平和だなあ」と思えてくる。少し、眼が潤んでしまった。危ないか。気がつくと、隣にポニーテールをした白人男性が同じように腰かけている。ああ、彼も日本の生活に疲れてるのかねえ、と寛容になりながらも、同時に、なんだ、まさか変なコトに誘おうとしてるんじゃないだろうなと疑ったりして、つくづく世俗の毒は頑固だなあと感心した次第。まあ、少なくとも、この行いで怒りっぽくなってた傾向は改善されたんじゃないかと思う。たまにはこうして「人の脳を通してないもの」をじっくり眺めてみるのもよし、か。「プリンツ」に掲載されてた蜷川実花安野モヨコの対談に影響を受けての行動。