サラーム・パックス「サラーム・パックス バグダッドからの日記」*7

 この本の著者を「我々と変わらないごく普通の若者(ただイラクに住んでるだけ)」なんて言説によくお目にかかったものだが、いや、けっこうこのひと、ちがうよ。少なくとも、ぼくとはちがった。なんて書くとまた変な誤解を与えそうだが、で、はなしの筋としてはおもいっきり「そっち」(つまり“階層”)に行ってしまう恐れがあって、そんなことこの本がうったえる(筈の)テーマとは著しくずれてることは承知しているから止めるけど、ふう、「インテリの息子は恵まれてんなあ」と思ったことは事実っす。ってこんな感想まったく的外れな読み方なんだよな。
ダンサー・イン・ザ・ダーク」を2回見れるのか。ぼくはひとまず1回でいいです。うーん、サラーム、なかなか強硬な感受性の持ち主だなあと初回で感心。あと「未来少年コナン」を「子供番組としてどう?」って苦言を呈している。いやー、けっこう厳しいね。と、まあこういうところは「我々と変わらない」か。しかしだね、ああ、やっぱりやっかんでるのかなあ、政治について語られてる箇所にはまるで歯が立たず、「歳はぜんぜん違わないのに、なんだよ、この差は」と雨に打たれた子猫の様に打ちひしがれてしまった。大げさか。いや、ちょっとその口調は羨ましかった。ほんとに。「あったまよさそうに見えるなあ」って。「やっぱり両親が大学教授だと子供も違うんだなあ」・・・やめた、ごめんごめん、うそうそ。がんばれイラクのひとびと。日本から(微力ながら)祈るよ。