鈴木一朗2冊

 マリナーズイチローラーメンズ小林をライバル視している身にとって(嘘だが)なかなか刺激に富んだ2冊だった。1冊は今年の4月に出た「キャッチボール ICHIRO meets you」*1糸井重里との対談。もう1冊は昨年の7月に出た「イチロー 北野武 キャッチボール」*2ビートたけしとの対談。どっちもBSで放送された同名番組をもとに構成されてる、らしい。いやよく知らないんだけど。せめて題名をちょっと変えるくらいの考慮は必要なのではと部外者ながら思った。
 先に糸井重里の方を手に取る。懇切ていねいな脚注付き。ていねいすぎるくらい。さすが糸井重里本。といいつつ、すいません、いちいち感心しながら読み進めてました・・・。実際この脚注があったから次に読むビートたけしとの対談もすんなり頭に入ったくらい。つまり昔のイチロー発言を主にピックアップし、「ね、この人全然発言にブレがないっしょ」ってことを補強する役目を果たしているのだ。
 時に、天下のイチローも自分のバッテッングに迷いが生じていた時期があったらしく、自分の型を見つけるのに四苦八苦していたらしい。ふーん。これを読んで私は、いま言う「自分探し」ってのは結局この「型」に他ならないのではと思ったけれど、いや、鈴木イチローとその他とではそもそも土台が違うか。

 昔はとにかくバットを振らないと、バッテッングの感覚が戻ってこなかったんですよ。ヒットを打っても、打ってる感じが全然戻ってこなかった。でもそれって、自分の型を見つける前の話なんですね。自分の型っていうのを見つけてからは、練習をしなくても打つイメージができているから、打っているって感覚を取り戻すのも早くなったんです。

「型」というか「スタイル」というか。要するに、「自分探し」ってのをそんなに迫害するってのもどうなんだろうね、っておずおずと提言したくなる気分。まあもちろん「センス」は必要なんだけど。
 犬話題。イチローが飼ってる犬の名は、一朗×弓子→一弓(イッキュウ)。うわーっ、ベタだなこりゃ。ってひとのこと言えないが。オスの柴犬。気に食わないことがあると、イチローお気に入りの高級ソファーに噛みを入れるらしい。性格悪いな・・・。その点うちの芽衣さんは、って、けっこうオスの柴犬って我が強いのが多いんだよね。
 にしても、糸井重里48年生まれ、北野武47年生まれ。なんだこのオヤジ受けの良さ。つーかこの人選。意図があるのか。全面的に「イチロー好き!」と言えない理由にこうした外野の反応もあるんだけど、まあそれってオヤジ受けが徹底して悪い我が身を振り返ってのひがみでしかないんだろうなあ・・・。