その他、雑多なこと

 にしても、主人公グザビィエを演じるロマン・デュラスが、実にモテる。年上の美人妻との不倫なんかあったりして、かなりこれが不思議だった。つーか、彼の性的魅力がいまいちわからなかったから(いい人そうではあったけど)、いきなりのアバンチュールを前にしばし呆然、であった。その美人妻が「私って、イケてないでしょ?」とグザビィエに質問するあたり、「えーっ、イケてないのは、断然グザビィエの方だと思うけど」と心の中で誰もが叫んでたはず。ところが、スクリーンでは、グザビィエが「そうだよね、古くさいかもね」なんてしたり顔で言ってて、ちょっと椅子からずり落ちそうになった。虚構概念に壁があるのか。
 劇中、レディオヘッドの「ノー・サプライゼズ」(「OKコンピューター」)が3回流れてた。ふーん、フランスの監督にもレディオヘッドって受けるんだと感心。あと、日常会話に、なんの違和感なく英語が挟まれていることにも驚いた。日本でそれやると、完璧浮くからね。字幕、種類を変えるとかそういうのはなかったです。
 この映画、ヨーロッパでは大ヒットしたそうな。確かに、「ルームシェア」に対する憧れって、ある一定量の需要を生むもんなあ。自由、とか、友情、とか、うまくいけば恋愛、なんておいしいネタと直結するから。そこらへんは、本編ではかなりごった煮でありました。