くりくり君

 中学3年の頃、「俺が自殺をしないのは両親を悲しませたくないからだ」と語る同級生がいた。重ねて、「その問題さえ解決すれば、すぐにでも実行するだろう」とも。聞いていた連中(私を含む)は、無感動に「ふーん・・・」と呟いたきりだったけれど、かなり、その言説には共感した。ふだんの彼は、テレビ、スポーツ、マスターベーションの話題しか持ち出さなかっただけに(まあ、中三男子なんてほとんどがそうか)、その共感は、妙な重みを持って現在も胸中にある。もしかすると、女の子受けを狙っただけかもしれないな、とは思いつつ。