穂村弘「もうおうちへかえりましょう」

 表紙にかわいく作者の写真が。(ちょこんとカプセルホテルのベットに腰掛けの図。)かわいく、というのは語弊があるかもしれないが、ま、この本の著者としてはあながちまちがった装丁であるとは言えなかろう。自身を「青春ゾンビ」と語り、ははあ、この写真とモロに被ってるコンセプトですね。恋愛のありかたに悩み(互いを高める恋愛って何だ?)、高野文子のすばらしさに感服し(「奥村さん」は雑誌掲載時の方が好きだ)、短歌と経済の連動性を考察する(80年代はポップだね)。でもれっきとした会社員。でも、ってことないか。