小池昌代「感光生活」読了。おもしろかった。ただ、ここに折り込まれているさみしさは、異様にリアルで、そこが少し重いといえば重かった。不快な重さではないのだけれど。確かに、トイレで尻を出すのって、かなしくてさみしい・・・(センチメンタルか)。ビタースウィート、ということばの10倍の味。おとなの味だ。
 昨日買った「広告批評」をパラパラと。本日読んだのは橋本治のエッセイと、高橋源一郎による以下の3人のインタビュー。吉田修一星野智幸佐藤友哉。「ユリイカ」で島田雅彦も褒めていたけれど、星野智幸の「アルカロイド・ラヴァーズ」は、今しんけんに読みたいぞ。早く単行本出ないかな。
 ところで、今回の橋本治のエッセイを読んでちょっと考えてしまった。これって、共通の敵を仕立てて結束力を高めるやり方に、少し近くないか? って、この言い方が既にして「共通の敵を仕立てて結束力を高めるやり方」に他ならないか。自分より下のものを見付けて安心する、というか。(もちろん、橋本を下だなんて少しも思っていないけれど。)怒り、に依らないアプローチ法は在るのではないか。どうなんだろ。