終戦新聞雑感

 先の終戦記念日、92歳の祖父が昭和20年8月15日の朝日新聞を持ってきた。まあ読んでみなけりゃ申し訳ないよな。という感じで目を通そうとしたのだが、いかんせん、字が小さすぎる。当時のひとたちはこんなアリンコみたいな字を読んでいたのかな。ときおり「大東亜戦争終結の方式」だの「いかなる要求をも含まざるもの」なんて字が目立たせようとするが如く大きくなってる。これ、単なる植字ミスか?
 そんな中、全文読めたのは社説の隣にある囲み記事。題名「再生の道は苛烈」(副題「決死・大試練に打克たん」)。ちなみに、旧字出すのはめんどくさいので全て新字で写してます。
「日本国民が辿らねばならぬ道はイバラの道である」に始まるこの文章、いやー、もう、なんか、悲痛だなあ。当たり前か。日本人とか日本人じゃないとか、そういうのに関係なく、涙を禁じ得ない内容。「日本国民が果たしていつの日にか再生し得るかは、一に日本国民の魂がこの試練によっていかに鍛えられるかによって決まるのである」。にしても、この頃って平気で民族主義って礼賛されてたんだな。というか、そういうのにでも頼らなきゃやってけなかったんだろうな。って、これはあくまで新聞を読んでの感想で、ふつうのひとがどう思ってたかはわからないんだけれど。
 ところで、こういうの読んだら、今の若い子たちは感動するのかな。「七生報国の烈々たる気迫は、我々がこれを先祖よりうけついだものであるが、これは永劫に子孫に伝えねばならぬ」だって。伝わってるか、「七生報国の烈々たる気迫」。そもそも、読めるか。