池田晶子「41歳からの哲学」*2

 クサンチッペは、元気かな? あ、クサンチッペというのはソクラテスの悪妻。池田晶子はこのふたりを蘇らせて、実に上手に掛け合い漫才を披露してくれたのだけれど、うーん、あれはもう池田さんが若い時でないとできないのかな。面白かったんだけどなあ。と、なんで急にこんなことを言い出したのかというと、「41歳からの哲学」で、池田さん2回も「私は将来文部大臣になる」発言をしているから。って、週刊新潮連載時に全部読んでるので、今さらこの発言をどうこうしようってわけじゃない。ただ、この「大臣になる」発言というのは、それこそ上記クサンチッペが(年を取ったら)言い出しかねない内容ではあるなあなんて考えた次第。ほら、あの野村サッチー(古いか)とかね。夫のソクラテスは、「政治にかかわるのは真っ平」だとプラトンを介して言ってるし。まあ、これだって「形而上からお仕置きよ」に類する、彼女特有の悪い冗談かもしれないんだけどさ。
 この本に一枚のメモが挟まれている。5×8cmの白い紙。引用しよう。

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 うーむ。ちゃかしちゃまずい。ちゃかしちゃまずい、んだろうけれども、でもどうしても舌の先がちろちろと動いてしまう衝動を抑えきれない。「読書会」か。すごいなあ。集団で読むのか、池田晶子の本。真面目、な人が世界には多くいるのだ、やはり。(誤植の知らせじゃなかったんだ…。)