第14回Bunkamuraドゥマゴ文学賞

 http://www.bunkamura.co.jp/bungakushou/bungakushou.html
 浅田彰が選ぶところの田口賢司「メロウ 1983」に決定。ふーん。田口賢司って、福田和也が「ラヴリィ」をベタ褒めしてたんで読んだことあるけど、それこそ村上春樹の言う“文体コンシャス”な小説で、「ああ、なるほど、こういうのを好む男の子っているよね」と、いささか傍観気味の感心をした覚えが。女の子でいるかな。こういう、センスのみで書かれた小説を「好き」と自己申告する子って。いや、きちんと面白かったんだけどね。で、今回の作。浅田曰く「日本でこれまでごくまれにしか登場したことのない純正のPOP文学」だそうで。POP文学かあ。ちょっとそのフレーズには弱いなあ。ちょっと、どころじゃない。かなりだ。「POPである、J-POPではない」。う。わーー。といって、期待しすぎるとまた裏切られるというのも常套ってやつで。むつかしいのだ、POPと上手に付き合うのは。
 関係ないけど、ドゥマゴ文学賞の選考委員、いままで男だけだったけど、次回から富岡多恵子山田詠美池田晶子と、こっちの「茶々を入れようかなあ」という意思を見透かされたようなラインナップが控えている。いや、ほんと突っ込んでみようかと思ってたんだけどな。肩透かしだった。新潮社「小林秀雄賞」に女性選考委員がいないのは、やっぱり社の意向なの? みたいな。