「山猫」

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 美しきヒロインが、主人公たちの前にはじめて登場するシーン。そのあまりの美しさに男たちは息をのみ、女たちはただ呆然とするばかり。という、今ではもうあまりお目にかかれない映画の典型を観ることができてよかったです。ある種、マンガ的と感じるのは、こちら側の人間があまりにすれてしまったせいなんだろうな。ちなみに、1963年の作。第16回カンヌ映画祭グランプリをとったとか。ふーん。確かに古典の風格は存分に溢れてます。ただ(それが今回の“売り”だったのだろうけれど)3時間6分の上映時間はさすがにちょっときつかった。個人的に、一番楽しみにしていた舞踏会のシーンは、あれがリアリズムなのか、けっこう平坦な内容で、これもまあ観ているこちらがあまりにすれてしまっていたせいかもしれない。