北京土産を食す

 朝礼で、郵送に関する大事なことを言っていたらしいのだが、直前にネットで読んだ「童貞の男は英語で“virgin”と表す」との記載に頭を奪われ、ぜんぜん内容を理解できなかった。なんとなく、人に訊くのもはばかられて、そのまま郵送の仕事を手伝ったりする。
 昼休み、ネットで芥川賞の候補者を知る。山崎ナオコーラも入っていることが意外と言えば意外。毎日新聞では、やたらと阿部和重が“年増”と強調されていて、少しばかり彼に同情する。
 午後2時、北京に行ってきた人からの土産が机の上に置かれている。最初、昆虫のさなぎかと思う。赤黒い、しわしわの物体。見ると、周囲の人間は誰も食べていない。ふだんは、この手のものには慎重すぎるほど慎重なのだけれど、特にその人に敵意を抱いているわけではないので、えいとばかりに口に放り込む。「どう、おいしい?」おそるおそる、といった感じで前の人に訊かれる。「うん、なんというか、干し柿みたいな味。」すなおに答える。実際、味は(見かけ程)悪くなかった。「まだこっちにたくさんあるよー」との声にはさすがに辞退を申し出る。
 退社後、図書館に行き、多和田葉子「聖女伝説」等を借りる。
 ビデオに撮った「ブラックジャックによろしく」を見ながら夕食。ネギトロ他。