「フラワー・オブ・ライフ」(1)(2)

 好きになったらしつこいんだ、僕は。というわけで、「西洋骨董洋菓子店」でガツンと脳天を貫かれたよしながふみの作品を次々と渉猟中(予定)。
 表紙からして、うーん、もしかすると今まで縁がなかった耽美系のマンガかな、と少し恐れをなしていたのだけれど、いやいや、十分に健全な高校生マンガでした。金髪で、もと白血病の主人公、花園春太郎とその仲間たちが繰り広げるゆかいな毎日・・・・・・という説明でいいのかな?うん、何も考えず(でもないか)、けたけたと笑えます。同級生の三国くんは、大変にキュートだし。貞子によく似た、武田隅子さんもバリバリに飛ばしてるし。ただ、えーと、僕が「西洋骨董洋菓子店」で惚れたのは、例えば、くるくるパーマの旦那(あのマンガで一番好き!)みたいな、「こんなおいしいキャラクターをどうして限られた回数しか登場させないのだろう」という抑制の美学にあったのだけれど、そういうのは、このマンガではあまり見られないすね。みんな、全開モード。それと、美貌が物語を突き動かす、ある意味古典的な方式も、ここでは微妙にずらされていたり。花園くんのルックスになんて、「西洋骨董洋菓子店」における橘や小野みたいな意味づけなんて全然なされてないしね。逆に、真島の“水も滴る”美男子ぶりがギャグまで墜されているくらいだし。正直、それには「ふーん」とちょっぴり寂しい気が・・・・・・。とかいいつつ、なんてったって、ほとんど善人のマンガすから。もう数十回は暇を見てページを繰ってます。(伊勢谷さんの眉とくちびるが、ふてぶてしくてけっこう好きかも。)