伊藤たかみくん

 文藝秋号・特集「山田詠美」に寄せている伊藤たかみの文章がものすごく好みだったので、さっそく丸善・丸の内本店で著作を漁ろうと思っていたのだけれど、うーん、この人、児童文学畑なのかあ。確かに近来児童文学というジャンルが隆盛を極めているとは仄聞するところで、あさのあつこだとか森絵都だとこあの活躍には耳目が集まりがちなのは承知しつつ――要するにおもしろさはかなりの割合で保障されているのだとは思いつつ――それでも結局(少なくとも今日の時点では)家に持ち帰ることはなかった。今回芥川賞候補となった「無花果カレーライス」は、ぜひとも読んでみたいのですが。ちなみに、丸善では、伊藤たかみくん、女性作家の項に分類されてた・・・・・・。まあそれも無理はないか。私も最初は、伊藤比呂美との連想から、「新しい女性詩人のひとりかな」と思ったくらいだもの。