町田康の「真実真正日記28」


書店でぐうぜん講談社の冊子「本」(無料)を手に取る。町田康の「真実真正日記」なるものが載っている。読む。そして、思う。
――ああ、くだらねえ。なにが「真実真正日記」だか。つーか、この「日記」前から連載されてたんですか? されてたんですよね? されてたからこその、数字「28」なんですよね? 俺、単行本になったらぜっったい買います!

店の兄ちゃんがやってきて、「君らが頼んだ料理が、手違いでできてなかった。いまから作るには四十分かかるがそれでもよいか」と言った。
それ自体は仕方ないだろう。しかし、店の兄ちゃんはそのことを詫びるようにではなく、傲然と言い放ち、そのことに僕らは腹を立てた。
しかし若い彼らは言葉を持っていない。
そこで僕が代表して苦情を言った。すなわち、「それはよいが君はまず手違いを詫びるべきではないか」と言ったのだ。したところ彼はなぜか逆上し、厨房に取って返すと、包丁を手に戻ってきて、「これで気が済むのかあっ」と怒鳴ると自分の腹に包丁を突き立て、横一文字に掻ききるとテーブルの上に腸をまき散らし、「すいませんでしたあっ」と怒鳴って暴れた。
明石さんが泣き、吉井くんが小便をちびった。僕もちびりそうだった。
その後、警察に呼ばれたりしてさんざんだった。

町田康って、やっぱり筒井康隆の正当な嫡子っすね。(褒め言葉。)