大奥(1)

ホモソーシャリティとホモセクシャリティをごっちゃにするない、と敏感なひとたちから怒られるかもしれないけれど、いいじゃないですか、これ。めちゃくちゃおもしろいです。要するに、伏魔殿に介入する田中真紀子のフィクションバージョンといったところか。(と書くとまた誤解を招くか。「フィクション」というところがポイントなのだが。)山岸凉子日出処の天子』で刀自古に期待させられていた――少なくともわたしは期待していた――改革の案を、こちらの吉宗(女)はきちんと持ち合わせていることだし。日本人好みの判官贔屓のセオリーに則って話はこれから進展していくだろうし。またよしながふみ、そういうの大得意だし。んでもって、(これは個人的に注目)「男の美貌」がもたらす力学がきちんとドラマに組み込まれていることだし。(その点で少し『フラワー・オブ・ライフ』は物足りなかった……とは前にも書いた。)ああ、30代の橋本治にこのマンガを見せたかったな。そしたら、言を尽くして褒めまくっていただろうに。
期待度満点の作品。掲載誌「メロディ」も眺めたい。だが我慢する。次巻が出るのを心して待つ!