「人生がガラリ変わる! 美しい文字を書く技術」

 変わったかなあ……? 
 これは、「なぞり書きをしなくても(読むだけで)美しい文字が書けますよ」という謳い文句の元に書かれた本です。「文藝春秋」日垣隆がプッシュしていたのをきっかけに手に取りました。
 目指せ、美人文字!

 大事なことは、お手本と寸分違わぬものを書くように努力することではなくて、自分なりの土台を持った字にちょっとポイントメイクをしてアクセントをつけ、美人文字のイメージに近づけることなのです。

 ……ほほう。
 で、実際に読んでみて、どうなったのかというと――。
 引き締まったのは確かですね。余分な肉が削ぎ落とされ、「小顔」になったというか。大きさが、8割程度にまで縮まった様子。「め」とか「ぬ」とか「の」に関しては、けっこう目から鱗でありました。「肉落ちるな、これじゃあ」といったやり方。「れ」と「ね」は、かなりに難易度が高かったけどね。(すぐ諦めた。)
<横線は少し右上がりにする>という、前に読んだ「六度法ノート」に出ていた教えも載ってます。んー、でも少し、漢字の章は物足りなかった――というか、追いかけるのが大変でしたね。
 誰か偉大な人、この「美人文字」の新たな開拓者となってくれないかな? 需要は十分あると思うよ。