「わたしを離さないで」

 強烈です。この本の持つ磁力は。読んでいる最中、他の何にも手を付けられない状態でした。サスペンス? いやいや、そうとばかりは言い切れないのだけれど(詳しく語ったらこの本を読む興は確実に削がれてしまう)――おいおい、次はどうなってしまうんだい? といった具合に、話運びの巧みさにページを最後まで繰らされてしまう始末。惚れますね、確実に。そっかー、これがうわさのカズオ・イシグロかあ……。と、いうわけで、この本、今日まで通算3回読み通しました。ぜんぜん飽きない。1800円。元は取ったね。「Never Let Me Go」。わたしを離さないで。余分な情報に触れず、この本を読めたことをたいへん幸福に思います。
 ところで、前から思ってたんだけど、カズオ・イシグロって、梅沢富美男に似てますね。色気の放出具合とか。(どうでもいいか……。)