「細野晴臣インタビュー」

 細野晴臣といっても、あまり世代的に慣れ親しんだ存在ではないんですよね。強いていえば、ローソンの森高千里とのCMくらい? あと、タイタニックの孫って知識とか。YMOっつったら、もうサブカル史の中でしか接せないくらいだし。
 だから、地元のヴィレッジヴァンガードでこの本を見た時には、強烈な磁力を放っていたにもかかわらず、かなり買うかどうか逡巡しました。だって、文庫本なのに1400円。しかも、扱っているCD1枚も持ってないし。
 でも、まあ、結論から言うと、買ってよかったです。知識がない人間にもじゅうぶん楽しめました。
 と、ここで、どこがどう面白かったかを抜粋するのが正当なのだろうけれど――すいません、あまりに音楽的知識が乏しくて、ちょっとそれ無理っぽい……。
 んー、つーか、音楽がどうこうというの以前に、この人の言語センスに酔わされたって感じかなあ。(細野晴臣オンリーに寄るものかはわからない。もしかすると松本隆も混ざっているのかもしれない。)
 目次から抜粋してみようか。こんな具合。

飛べない空
風を集めて
終りの季節
YELLOW MAGIC CARNIVAL
ルーチュー・ガンボ
はらいそ
INSOMNIA
CHAOS PANIC
THE ENDLESS TALKING
ANDADURA
ESHASHI

 ……他にも、「おならのことをテンシキっていうんだよ」っていう祖母のエピソードとか、藤子不二雄の「北京填鴨式」から取った「北京ダック」なる曲の存在とか、こうした、ちょっとふだんの生活じゃ出会えない言葉があちこちにちりばめられていて頭の中がくらくらした次第であります。
 CDも聞くけどね。どれから聞いていいのかはわからないけど。ひとまず、今図書館で予約待ち状態。(それもすごい。)