「遠い山なみの光」

 所用で渋谷に寄った際にブックファーストで見つけた本。カズオ・イシグロのデビュー作です。
「わたしを離さないで」や「日の名残り」が面白かったから、ずっとずっと探してたんですよね。でも、いつも行く書店では扱ってなかったから、こうして出会えて喜んで購入した次第であります。
 上記2作と比べると、割にすらすら読めた印象があるかな? 戦時中の長崎を舞台にした女性同士の交流の話。夏の暑い盛りに読むのにぴったりの本でした。
 ただひとつばかり、気になることが。
 それは、主人公の長女のある行動に関してなのだけれど――ああいうのを最後までミステリーのままで引っぱられると、ちょっと歯の奥に小松菜が挟まったような違和感が生じます。
 気のせい? もういちど読めば解消する? つーかこちらの人生経験不足?