青の時代

 三島由紀夫25歳の作かあ。若いねえ。
 光クラブ云々というより、主人公川崎誠のパーソナリティが、もうおもしろくておもしろくて。橋本治が「サイコー!」なんて若き日にカタカナで書いてるよ。その気持ち、わかるわあ。その分、後半になって「太陽カンバニィ」なる会社の乗り出して以降は、割にこう、どうでもいいかっつーか(よくないか)。お金大好き・野口耀子さんの地顔に、別にオチを付ける必要はなかったんじゃないかなあ、とか。どこからどこまでが事実でフィクションなのかの区別をよく知らずに言ってるけど。
 事実といえば、川崎誠のモデル、山崎晃嗣が残した遺書は(Wikipediaによると)「駄洒落を書き散らした」ものだったらしい。あらら。じゃあ、川崎誠が友人愛宕(オタギ)の洒落や地口の才能に羨望の視線を送るのは、案外事実に基づいたエピソードだったんだね。見てみたいなー、遺書……とちょっと書いてみたけれど、いや、やっぱいいや。遠慮しとこう。