仏像のひみつ

 いま丸善で本を買うと、東京国立博物館でやっている仏像展の割引券がやたらと本の間に挟まれてくるんだ。もう6枚はたまったかな? 仏像なんてのは、絶対にお寺で見るべき、なんていうずいぶんと保守的な考えの持ち主なものだから、まあたぶん行かないだろうなーと思い込んではいた。けれども、現在ベストセラー街道まっしぐらの山本勉著「仏像のひみつ」を読んで、かなりに気持ちは変わったね。つまり、別にお寺にこだわる必要なんてないかーといった考えに鞍替えしたという次第。
 軽薄だな、我ながら。
 いや、おもしろい、加えて、初心者にも丁寧懇切な解説が与えられてるからね、この本。山本氏、国立博物館の名誉館員だとも言うし。更には――まあこれはこんなところで言うことじゃないか、「顛末」のさいごのさいごを読んで、山本氏の冷静な筆致に、かなりほろりと来てしまったからということなのだけれど……。
 まあ、そんなこんなで、実際に仏像をこの目で確かめるべかなーと、近々上野にまで足を運んでみる計画をつくり中。
 ――なんて書いておきながら、でもさー、と、やはり今でもかすかに思ったり。
 仏像を、集団で見て、はたしておもしろがれるものなのかな?
(行ったら、ちゃんとその旨報告するよ。正直に。)