「ハリーの災難」

 森で出会った1体の死体を巡り、「俺が殺ったんだ」「いやあたしが」「ともかく埋めちゃお」「元夫だし」みたいな遣り取りが繰り広げられて、最後にハッピーエンドが訪れる映画。シャーリー・マクレーンのデビュー作――といっても、結局この20年でぼくがシャーリー・マクレーンを見たのって、この映画1本切りなんだ。スピリチュアル関連の本を執筆してる、てな認識の方が、なんか強い。女優というより。決してヒッチコック的美女ではないのだけれど(つまりそれってやっぱりグレース・ケリーを念頭に置いてしまうということなのだけれど)、たいへんかわいらしく撮られていると思う。ていうか、そもそもこの映画自体がぜんぜんヒッチコックっぽくないんだよね。はらはらどきどき感はかなりうすいし。好き嫌いでいうと、けっこう好きの部類には入る。のだけれど、興行成績芳しからぬ、てな報に触れると、「あーやっぱしねー」てな納得もしてしまうかんじ。いや、好きなんだけどね。森の紅葉きれいだし。マフィン旨そうだし。