いきなり父親に「劇団ひとり」のことを聞かれたのだが

 なにやら、父親同士が知り合いという間柄らしい。ふーん。昔、夫婦で家までやって来たこともあるとか。その時に連れられて来たのは、省吾氏ではなくお兄さんだったとのことだけれど。
「じゃあ、お兄ちゃん(ぼくのこと)の年代の人たちには大人気なんだ?」
「うん、まあ、すごく活躍しているみたいだよ」
「キムタクみたいな?」
「え? いや、彼、お笑いだし」
 終始、上機嫌な父親であった。