読みがむつかしい

 玄宗を巡る人間模様の巻(「序の巻」)は終了。次に、藤原鎌足を巡る人間模様の巻(「栄花の巻」)に移行。つまりは、ひとまず「双調平家物語」の第1巻を読み終える。めでたい。めでたい。と言祝ぎながらも――舞台が、唐代の中国から飛鳥時代の日本に移り、登場人物の読みが格段にむつかしくなって若干困惑している。いちおう、こまめにルビは打たれているものの、「押坂彦人大兄皇子」→「おしさかのひこひとのおおえのおうじ」などと、今ここで音を繰り返すのさえ、何というか、脳内声帯の筋力が持たない感じなのだ。はっきり言って、「安禄山」→「あんろくざん」の比ではない。が、ここはひとつ、それぞれの「押坂彦人大兄皇子」の箇所で、きちんと「おしさかのひこひとのおおえのおうじ」と読んでいきたいと思う。無謀だろうか? 昔の自分など、「藤原鎌足」を、暗記しやすいからといって、「ふじわらのかたまり」などと勝手に頭の中で変形していたくらいなのに。(そういう人も多かろうとは思う。)