秀才の正体

「双調平家物語」1巻にあった記載で、引っかかっていたところがある。

蘇我の御曹司は頭がいい」とは、以前からの評判である。易経を講じた旻(みん)法師も、「一人を除けば、学堂に集う者の中で、蘇我の嫡子の出来は一番」と太鼓判を押した。(P.264)

蘇我の御曹司」「蘇我の嫡子」とは、蘇我入鹿を指す。つまり、これを言われている人物は、入鹿の父親、蘇我蝦夷なのだ。そして、「一人を除けば」の「一人」に当たる人物の正体が、まだぼくが読んでいるところ(2巻半ば)まででは、明かされていない。
 誰のことを言っているのだろう? まさか、このまま、気を引かせたまま、明かされないで終わるのでは……。
 が、しかし、ついさっき、Wikipediaを眺めていて、はっと気付いた。

 隋・唐に留学していた南淵請安が塾を開くと、儒教を学び、そこでは蘇我入鹿とともに秀才とされた。

 つまり、この「秀才」の正体はというと……(→)。
 これで、「ぜんぜん違うオチが待ち受けていた」ということになっていたら、ちょっと泣く。