「二十世紀」読了

 ときおりNHK鳩山一郎とか吉田茂とか岸信介とか寺山修司とか、まあそうした「歴史上の人物」が映ると、へーっと食い入るようにして見つめるようになりました。橋本治「二十世紀」の影響ですね。読み終わりましたよ、先週のすえに何とか。2ヶ月かかった……。ふーっと、溜息。1900年から(二十世紀じゃないけど)2000年の各年を計101篇、編年体形式で組まれたコラム集。帯にはゴシックで「あなたと歴史が本書でつながる」とあります。その言に偽りなし。――と、言いたいところだけれど、正直なところ、1945年以前のややこしさには、いまだてこずるといった体でありまして。はい。親の生年とかと関わっているのか? 今後の課題。とにかく、戦後においては、<ケネディ暗殺>とか<全共闘>とか<三島自決>とか<あさま山荘>とか、こういった(うすく興味を持っていた)出来事の流れが、おお、なるほど、たしかに「つながる」。ここらへんはぜんぶ、「政治」とか「むかし」とかいった名の脳内フォルダの中に雑然と突っ込まれてただけだったからなあ……。プラス、橋本治の解説が、とても理解の手助けになる。編年体、といっても、ほら、彼の興味に沿った内容で組まれているといった風が強いから。1951年なら<マッカーサー>と<鉄腕アトム>で「日本人は12歳」だとか、1981年なら<ダイアナ>と<松田聖子>で「家の拘束力」だとか。(相変わらず政治関係の例を持ち出すのが苦手……。)と、いうわけで、個人的にはたいへんありがたい本でありました。これからも、必要に応じてぱらぱらと見返していく予定。重宝します。
 途中、いろいろと<溥儀>とか<マルコムX>とかの関連本に食指が動いたのだけれど、いざ、その年代が過ぎてしまうと、あー、まー、いっか、といったぐあいに、とたんに熱が冷めてしまうものっすね……。駄目だなあ。まあ、本との出会いも、運命みたいなものがあるしね。