それというのも流行は

少なくとも
何年かの間だけはそう断言していたが、
それというのも流行は、
それ自体が変化の必要から生まれただけに、
必ず変化するからだ

 ――なるほどなあ。ってこれはプルーストの格言。というより、「失われた時を求めて」三巻に載っている、んんー、からかいの言葉、なんですかね? 諸行無常とも違うし。「それ自体が変化の必要から生まれた」の「必要」ってとこには、やっぱり、ある種の笑いが含まれているような気がするしなあ。
 同書に載っていた乃木希典将軍が出所というこの言葉。

 勝利は敵より十五分長く耐えられた者に帰す

 ――うーむ。思い切り、日本人のメンタリティに合致したお言葉。これぞ、ザ・格言! とでもいうべき面がまえ。ただ、ここでもやっぱり、プルーストはからかいの目線で言及しているような気がしないでもなかったです……。(関係ないけど、ATOKでは「ノギ−マレスケ」って一発で変換できるんですね。)
 次のフレーズは「失われた時を求めて」二巻から。プルーストオリジナル。

 人は恋を始めるや否や、たちまち誰も愛さなくなるものなのだ

 ――わたしはちがうよ。との反論も聞こえそうだけれど、まあ、「愛」と「恋」に関する、若干の真理が含まれているフレーズではありますよね。(言葉足らずですが。)