恋のトートロジー

 プルースト曰く。もともと恋に心の平静などあろうはずがない。なぜなら――

 なぜなら人が手に入れたものは、
 更にそれ以上のものを欲するための
 新たな出発点以外の何ものでもないからだ。

 「失われた時を求めて」3巻327ページより。
 よく松本人志もこういうことを言ってますよね。究極の恋人とはまだ会ったことのない恋人だとか、云々。
 更に言うと、この前阿久悠特集ではじめて聞いたCharの「気絶するほど悩ましい」の歌詞も思い出したりします。

 うまくいく恋なんて恋じゃない
 うまくいく恋なんて恋じゃない

 恋とトートロジーってのは相性がいいんだ。と、きっぱり言い切れないところに、恋の醍醐味があるわけですね。(ほんとかよ?)