三浦しをん『双調平家物語』評

 http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20071217bk02.htm
 なんだか意表を突いた組み合わせだなあ。と、最初は、三浦しをん氏についてよく知らないだけに、そんなことを思ったりもしたわけです。三浦氏と橋本治氏の間に、いかなるつながりもないだろうしなー、とかね。
 が、しばらく経って、はっと気がつく。そうか、上の書評でいえば、例えば〈平重盛藤原成親の、粘りきらめくような愛憎〉の箇所に、三浦氏はみごとに反応なさったのか、と。そうか。そうか。そうだよなー。三浦氏といえば、そっち方面にかけては、今や日本を代表するといっても過言ではないオーソリティーだもんなあ、と、勝手に自分の中での「三浦しをん」のパブリックイメージと照らし合わせて納得してみたりしたのですが(にしても、上の〈粘りきらめく〉の部分を、字義どおりに受け止められた人は果たしてどれくらいいたのだろう?)、あの15巻からなる長大な物語を、たったの763字に圧縮して隈無く紹介するという力量は、いったい何? すばらしいっす。
 というわけで、我が「要チェックリスト」の中に、彼女のフルネームが堂々と記載されるようになった次第。まあ、ぼくのリストに載ったからって、特別なメリットがあるわけではないのですが。ただ勝手に、リスペクトするだけ。(だけ?)