『エデンの東』読了

 読んだあ。全4巻。気持ちよかったあ。鳥肌が立つということばに眉をひそめるかたもおありでしょうが、でも確かに快楽を感じているときに両腕の肌があわ立つことというのは、そうめったにないことでありながらも、でも確実にあるのだから、ついつい語彙不足を楯にしても使いたくもなってしまうというもの。数ある「おもしろさ」の種の内でも、この手の「おもしろさ」は体が如実に反応するくらいに王道だから、帯に書いてある「読み出したら止まらない!」や「この物語であなたは変わる」といったキャッチにも肯んじざるを得ないっすね。じっさいそうだし。
 ジョン・スタインベック著。ハヤカワepi文庫。おお、今年に刊行された本なんだ。訳者は土屋政雄氏。内容はもちろん、この訳文にも惹かれるものが多大にあり。ティムシェルティムシェル。(ちょっと、かわいそうすぎるひともいるけどね。なかには。アフターケアが気になるような……。ひっかかるといえばひっかかりますわ。)