「大琳派展」@東京国立博物館

 あれ、この光琳の「風神雷神図屏風」は前にもどこかで実物を見た覚えがあるな、と思っていたら、どうやら2004年に東京国立近代美術館で行われた「RIMPA展」でのことらしい。ちゃんとチケットも取ってありました。どちらも光琳の雷神がチケットにメインモチーフとして刷られている。琳派といったら、やっぱりこの光琳の雷神なんでしょうねえ。皆が褒める(というか、橋本治が絶賛している)オリジナル俵屋宗達の「風神雷神図屏風」には、今回はお目にかかれずじまい。いや、めちゃくちゃ褒めてんだ、「BRUTUS」で、橋本治が。

 オレね、『BRUTUS』で琳派特集やるんだったら、俵屋宗達のすごさをわかる必要があるってことを、覚えておいてほしいの。今すごいと思わなくても、「これはすごいんだ」と覚えておいて、いつかすごいと思える日の来るのが未来の基準だ、っていうくらい。

 「光琳」に比べると(あくまで自分基準ですが)「宗達」って、名前が地味だからなあ……。ちゃんとこのあと、宗達の「風神雷神図屏風」も出品されるらしいです。10月28日から11月16日まで――見たいことは見たいけれど、うーん、このためだけにもう1度足を運ぶというのも、ちょっとためらわれるものがありますね。基一の「風神雷神図襖」も、かなり不気味でよかったけど。(モノトーンだし。)←あまり鑑賞しているひともいなかったけど……。
 蒔絵硯箱などを、洋装の日本人が眺めているのを横目に見ていると(もちろんぼくもそのひとりなのですが)、硯箱×洋装×日本人の顔、という3点にいささかの齟齬を感じ取ったりもして、和装で気合いを入れているひとはいないのだろうかと、さりげなく会場を見渡してみたところ、2ケースを発見。どちらも女性。でも、それはそれで、けっこうスノッブ紙一重のところもあったりして――むつかしいっすね。慣れの問題かな?