「文学史」再編成

 で、その「BRUTUS」(10月15日号)なんですが、橋本治のプロフィール欄にこんなことが記されている。

文学史」を再編成する長大な連載が『新潮』誌上でついにスタート。

文学史」を再編成? それ、というのは、この前「一冊の本」(2007.1)で書いていた、戦後生まれの作家だけで構成されている文学全集を作ればいいのに、という話と、いささかなりとも被ってるのかしら? どうなんだろう? 気になるといえば、気になる。

 私の言う「現代日本文学全集」というのは、「一九七〇年以降にデビューした、戦後生まれの作家」という限定をかけたものである。そういうものはまだないはずだし、そういう「限定」で文学全集を作ろうなどという発想はまずなかろうと思うので、「やってみれば」と、私なんかは無責任に言うのである。それをまとめた結果、「こんなもん文学の全集じゃない」になるかもしれないけれど、「今」という時代を一つの「混迷」と捉えてしまえば、「混迷はあそこから始まる」とか、「あそこが、今の混迷を作る一つの屈曲点だ」ということは分かるんじゃないのかと、思うんだ。

 でも、こういうのって――つまりは「1970年以降にデビューした、戦後生まれの作家」のみを扱った評論、というのは、なんかあちこちにありそうな気はしますねえ。いや、ぼくはぜんぜん疎いんで、具体名を出せと詰め寄られたらそれこそぐうの音も出ないのですが。全集、ということに価値があるのかな? じゃ、これとはまた(「新潮」でやるのは)違うのかな? なんにせよ、おもしろければいいなあ。