『歯はいのち!』読了

 咀嚼というものに興味が生じての購入。『ウンココロ』と同じく、装丁のイラストが寄藤文平氏なので、ふたつ書棚に並べておくと調和が取れていいですね。そもそも、咀嚼に興味が生じたというのも、この『ウンココロ』に依るところ大だったわけだし。
 唐突ですが、貴殿は、食事時、足を床に付けて食べていますか? そうでないと、ひとはうまくものを噛めないようにできているのだそうで。知りませんでしたよ、ぼくは。というか、今まで食事時に、足がどのような位置に配置されているかなんて意識をしたことは(たぶん)なかった。少なくとも、この本で薦められているような、<背筋を伸ばし、両足の裏をしっかりと地につける>といった姿勢ではなかった——だらだらっとした格好だった——ように思います。

 あごがきちんと咀嚼運動をするためには、それを支えるアンカーとして必ず足の踏ん張りが必要になります。

 というわけで、恥ずかしながらも真正直に、両足の裏をしっかりと地につけて毎度の食事にのぞむ日々。確かに、噛めるかな? 前より。宮崎県産沢庵の滋味も、しっかりと感受できているような気がするし。(というか、確実に、食事そのものを心待ちにする度合いは深まりましたね。)
 笠茂享久著。2007年。文藝春秋刊。副題が「気持ちよく噛めて身体が楽になる整体入門」だから、そっち方面に感心があるひとにも、かなり手軽に試せるものが2、3あって(解説もていねいだし)楽しめるのではないかと。