『エロマンガ島の三人』読了

 図書館回帰の第4弾。長嶋有著。エンターブレイン刊。2007年。副題が「長嶋有異色短篇集」となっていて、とすると、これはあれかな、『ドラえもん』に対する『ミノタウロスの皿』みたいなのかな、と思ってたら、まあ半分は正解ってとこですかね。「エロマンガ」ということばは強すぎて、どうしてもあらゆる想像力をそっち方面へと収束させてしまいがちなのだけれど——ていうか勝手に想像していたのだけれど——でもきっと長嶋有のことだから、そこを正統で攻めるなんてことはしないだろうなあとも思っていて、後者の想像は、はっきりと正解。いややっぱこの仲良し、というのとはまたちょっと違う親和感、っていうのは、いいっすよ。ほんとに。センス、ということばもあれなのだけれど、運動神経のよさに通じる憧れを覚える。(危ない石を踏まない感じ。)あと、いちおうちゃんと作中に出てくる<なんにもない なんにもない まったく なんにもない>という歌も聞いてみました。これこれ(→)。自分としてはこの小説自体のテーマソングとしてこの先も記憶されることになるのではないかと。郷愁、っていうか。