『からくりからくさ』読了

 図書館回帰第5弾。梨木香歩著。1999年。新潮社刊。三浦しをん氏の『三四郎はそれから門を出た』というブックレビューで激しく興味を持ったひとというのが、この梨木香歩という人物でありまして。評判は耳に入ってきていたのですが。だからこそ自分とは関係ないのかなと思っていたものの、ちょっとそうした理屈とは関係なく「読んでおいた方がいい」と直感に囁かれ、手に取る。あ、でも上記ブックレビューではこの本は取り上げられてなかったのですが。ちょうど書棚にあったもので。これはいいと。ひょいと。
 で、感想。……むつかしいっすねえ。読めない単語のオンパレード。金糸雀色……キンシジャク色? ちがう。いやちがってはないらしいのだけれど。正解はカナリア色。ルビがないから……。こうしたことばの織り具合というのは、ちょうど機織りに通じるものがあるのかなと、怠惰な自分を叱咤しつつさいごまで読む。で、きちんと、本を閉じて、感動するわけです。いや、ほんと読んでよかったと思う。思うのだけれど……それこそふだん読んでいる本とはまるで勝手が異なるという感じで、いささか現在も消化し切れてないというか……。大袈裟にいうと、世界観にずれが生じたのは確実。たぶんこれから他の梨木作品にも手を出す予定。