ウグイスの由来

 古い話で恐縮。といっても先週日曜朝6時の出来事です。NHK-FM「朝のバロック」(実はこの時はじめてこの番組を聞いた・目覚ましがわり)で、松田輝雄さんがウグイスの名の由来について語っていたんですよ。曰く、
「昔はウグイスってのは『ホーホケキョ』じゃなく『ウーグイス』と鳴いているように聞こえていたんだそうですよ。だから、ウグイスという名がつけられたんですね」
 大意です。もしかすると間違っているかもしれない。調べると(→)、

 うぐいすの最大の特徴は、その鳴き声にあるため、「ウグヒ(ウグイ)」が鳴き声で、「ス」は「カラス」「カケス」「ホトトギス」などと同じく、鳥の接尾語と考えられる。

 そう間違ってはいないようですが。接尾語の「ス」については、かわいらしいものに付く「ス」だとかいう風に説明していた記憶もあるし。
 しかし、ここでいいたいのはそうした「正しい」ことではぜんぜんなく、むしろ、松田輝雄さんが日曜の早朝に連発していた「ウーグイス」「ウーグイス」という(古代人の耳に聞こえていたらしい)ウグイスの鳴き真似のキュートさにあるのですね。って、このキュートさ、字面だけでは伝わらないのがかなり残念です。ちょっと面倒ですが、現在流通している「ホーホケキョ」の音に「ウーグイス」という語をあたまの中で当て嵌めてくれると少しはぼくが先週体験した(ある種の)感動も共有できるかと思うのですが。
「ウー」と伸ばして(「ホー」に相当)、
「グイス」で締める(ホケキョ」に相当)。
 伝わるかなあ……。
 とこんなことを書いている現在においては、先週まであれほどかまびすしかったウグイスの声はすっかり消えてしまって。春は確実に過ぎ去りつつあります。