袋叩き
ほら、あれですよ。ぼくにとっての「大麻」のイメージって、10数年前にここから得られたものが主なので。
僕はずいぶん前に健康のために煙草をやめた人間だけど、経験的に言って、マリファナというのは煙草なんかより遙かに害が少ない。煙草と違って中毒性もない。だからマリファナをちょっと吸ったくらいで、まるで犯罪者みたいに袋叩きにあうなんていう日本の社会的風潮は、まったく筋が通らないのではないか。アメリカでは個人的に楽しむ程度の大麻吸飲はだいたい大目に見られることが多いし、州によっていくらか事情は異なるが、所持しているのが警官にみつかっても、問われる罪は罰金刑程度のものであることが多い。そのくらいの法律運用が妥当なところだと思う。
村上春樹のエッセイ『うずまき猫のみつけかた』より。
だから、判断はつけられないながらも、一連の大麻報道騒動に「ふーん」といまいち乗りきれないものを感じていたり(いまだに)。
つまりは、この記事で、裁判官から白昼堂々「だまされているんだよ。バカだから」と罵倒されている兄ちゃんと、そうはかわらないといえばかわらないわけで。
裁判官が「大麻が体に悪いという認識はあったか」と尋ねたのに対し、被告が「体に悪いとは思っていない。たばこや酒よりも害が少ないとインターネットに書いてあった」などと答えると、裁判官は「だまされているんだよ。バカだから」と発言したという。
どうなんすかね。じっさいのところ。——って、バカはいけないっすよね。バカは。