エッセンシャル

 16年ぶりの来日だとかそういうこととはまるで関係なく、最近聴いているのは、図書館で借りてきたサイモン&ガーファンクルの『エッセンシャル』。びみょうにここの世代とは(上とも下とも)ずれているから、このデュオの曲をじっくり聴くのは、実のところ、今回はじめてなのですね。まあさすがに、耳にしたことが皆無だったというわけでは決してないのだけれど(でもタイトルのみを知っていた「スカボロー・フェア」は初聴だった)。だからこそ、なのか、わりに(飽きが来ないように)たいせつに——というか、慎重に、聴いてます。ある意味、真面目に。

 いや何かひさびさに、音楽による幸福ってものを体感して。
 生活のBGMって役割からは、というわけで、このCDは、免除されているという次第。ジャンルを問わず、著名な古典だからといってもすべてに「ふーん」と感心できるわけでは——ざんねんながら——ないのだけれど、これは、真実、よかったっす。僥倖。