多寡

 日本の著名なロングスリーパーって誰でしょう? いち早く名乗り出てくれば、「(日本の)ロングスリーパーの象徴」として、今後も世間に認知され続けることと思います。
 とかいって、いちおうぼくの記憶に残っている限りにおいては、丸谷才一山田詠美がそうだったような(そういう申告をしていたような)……。でも、ちょっとパンチに欠けるかもなあ。現時点における最高位「ロングスリーパーアルベルト・アインシュタイン」のイメージに拮抗するには。
 他にいるのだろうか? べつにほんとうでなくてもいいから(あくまでイメージの申告なんで)。ショートスリープ申告者はたくさんいるのに(→)。まあこちらも、「ナポレオン」とか「エジソン」のイメージに拮抗するのはかなりな荒技が必要だとは思うけど——というか、逆にそうしたイメージに乗っかる形でいまでもショートスリープ礼讃って続いているのかな? 「アインシュタイン」じゃ、さすがにちょっと手に届きそうもないし(そもそも、「著名」と「ロングスリープ」とのイメージを両立させられてるというのが奇跡なんだろうし)。
 まあこういう現状だからこそ、けっこうな穴場なのではないかと、ちらと思わないでもないのです。ロングスリープ申告って(しつこいけど、あくまでイメージの申告としての話っす)。けど、ショートと違って、ロングスリープの申告って、おとなの社会では勇気がいるのかもなあ。何休んでんだよ、とかいって。
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ナンシー関 リターンズ Nancy Seki Returns

ナンシー関 リターンズ Nancy Seki Returns

 この前、『ナンシー関リターンズ』(の中の日記)を読んでて思ったんすけど、もしかすると、ショートスリープってのも、第三者からするとりっぱに娯楽足り得るのかもしれません。大食いといっしょで。どちらも、そのときに感ずる興奮を追体験できるから。でもって、小食とか、そしてロングスリープってのは、概してそうした興奮とはセットになっていないから、いまいち現世では旗色が悪いのかも……って、まあ別に娯楽足り得てなくてもぜんぜんかまわないのですが。何となく。
 性欲においての多寡は、はたして第三者からすると娯楽足り得るか? ってことまで考えると……ジェンダーバイアスやら何やらが二重三重に錯綜して、話はじゃっかんややこしくなりますね。
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 関係ないけど、「三権分立」って言葉を耳にすると、その正確なところよりも、「食欲・性欲・睡眠欲」って方を先に思い浮かべがちになってます。とくに昨今は。