ワクチン的

 主演が堺雅人竹内結子か。ぴったり過ぎるほどぴったりだな。と先日『ゴールデンスランバー』映画化の報に触れ、今更ながらのように得心していたのですが、個人的には、主人公の親友役には——その髪質から——大泉洋が最適だったのでは? という気がちらと兆したというのもまた事実なのです。たとい『アフタースクール』と配役が被ってしまったとしても。そういう例ってとくべつに珍しくはないのだろうし。(『風が強く強く吹いている』『パレード』の林&小出とか。)件の親友役の、吉岡秀隆に対して何の含むところもないのだけれど。
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『男おひとりさま道』読了。
男おひとりさま道
 こういう本って、本番に向けてのワクチン接種みたいな役割を果たしているのかな? ということを読みながら思うわけで。自分で想像するのと、他人のビジョンでそうしたのを感受するのとでは、おのずと効果が違いますからねえ。よりリアルに眼前に迫ってくるとでもいうか。
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 斎藤美奈子が読売夕刊で深沢七郎『楢山節孝』を取り上げていた際、作品自体の出来は褒めた上で、それでもこの小説みたいに(実の子供から感謝されるように)「きれいに」死なない自由も認めて欲しいというようなことを書いていて。ぼくには、その発言がやたらと印象に残っているのだけれど。あまり聞きませんからねえ。こういう発言の際に「自由」って語を用いるのって。(←「記憶違いの可能性もあり」と為念で一応記す。)単に、ぼくの備えているアンテナの感度があまりに鈍いせいで、「ひとに迷惑をかけずにうつくしく死ぬ」みたいな考え方に対する疑問って、水面下ではふつうに浸透しているのかもしれませんが。ある意味、「人間宣言」ですよね?
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 私的2009年のベスト本。
左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために
 おそらく本流には掠りもしない気が……。でも同じように思っているひとは、少なからず存在している筈。