ふつうになれないわたしたち

「クイア・スタディーズ」(岩波書店)読了。著者の河口和也さんは、「クイア・スタディーズとは何か?」の問いにこんな風に答えてるよ。

 人はなぜ「普通」になりたいのか、あるいは人はなぜ「普通」なものに憧れたり、魅了されたりするのかという問いをめぐるものである。

「普通」ね。ふーん。なるほど・・・。
 ところで、「考える人」の連載で橋本治は「個性」について論じてるけど、橋本さんも、変わったね。昔は「個性」=「魅力」(結局それは橋本治自身のことだったりしてたんだけど)と位置付けていたのに、今では「個性」をそんな「いいもの」としてとらえてないんだなー。

「個性的でしかない人間」にとって「個性的」と言われることは、「その部分がまだまだ一般性に届いていない――であればこその個性的=未熟である」なのである。そこは、「修復され検討されるべき欠点」なのである。

・・・ここで「魅力」云々を持ち出すのは勇み足なのかな? でも、やはり「個性」を手放しで「いいもの」ととらえてないことは確かでしょう。ほんと、変わったな。橋本さん。大人になったってことなんでしょうか。てなことを上の「クイア・スタディーズ」を読みながら思ったりして。