坊っちゃん

ISBN:410101003X
 じっくり読んだのは今回がはじめて。高校時代、試しに眼を通してみたけれど、いやあ、単に「清が可哀想」なんて感想しか抱けなかった。つまり何も読んでないに等しい。さて、今回の感想はと言うと、なるほど、文章のテンポは「聞きしに勝る」気持ちよさだった。一気に読めた。あと、聞き齧りの知識で「どうせ主人公以外悪い奴しか出て来ないんだろ」と思ってたけど、それが覆されたのがちょっとした驚き。うらなり君とかね。山嵐との別れも、前はけっこうセンチメンタルに取ってたんだけど、いや、いいなあ、これはかなり真実だよと思った。にしても、書いた後100年経ってもこうして面白いってやはりすごいな。残るもんですな。