週刊新潮1月29日

 福田和也の「闘う時評」。まあ当然のように話題は芥川賞の件ですね。はじめに「(ふたりの)作品の質がこの盛況ぶりとつりあうものかといえば、どうも肯きがたい」と書いときながら、もう綿矢りさ絶賛しまくり。

 血の一滴も流れないのに残酷で、ほとんど接触がないのに淫蕩で、いかなるスキャンダリズムもないのに倒錯している、高校一年生の生活を、稠密でしなやかな文章で描いていく。

 いや、立派なオヤジ殺しだなあ、綿矢さん。久世光彦も、森繁のこと書いてる連載で、唐突に綿矢さんの本褒めてるし。やっぱ面白いっす、綿矢さん(の周辺)。しばらく様子を見てみよう。
 ちなみに、今回候補になった絲山秋子さんの作品、一度読んでおくべきかと思わされました、福田和也の文章で。要チェック。