イサベル・アジェンデ「天使の運命」*5

 この小説を読んでると、いかに自分がひとつの視点の小説に慣れ親しんでいたかがわかる。ぜんぜん、視点がばらばらなんだもんなー。主人公の心のつぶやきのすぐ後に、育ての親が考えている事が書かれていたりするから、正直ちょっと読むのに手間どった。こういうのがラテンアメリカじゃふつうなのか。出生不明の少女が初恋の青年を追いかけている内にいろんな人々と接し成長する話。(大雑把で御免。)少女はその間、男装している。おお、ジェンダーチェンジ。決して嫌いな話じゃないです。悪い意味ではなく、「おとぎ話だね」といった感想。やや軽めではあります。訳文がさらさらしているのかな。それとももともと? 「パウラ」は小説ではないらしいけど、あっちのほうが「ふう、読んだぁ」といった満腹感はありました。