性差

 小林恭二の「さまよう獣」を読んで、川上弘美の「ニシノユキヒコの恋と冒険」を思い出す。どちらも、一見地味、だけれどもかなりのモテ男を題材に扱っているという共通点を持つ。まあ私はニシノユキヒコとつきあう女性たちの方が好みだなあ。みんな死んじゃうからね「さまよう獣」の女性たちは。モテモテの英一くんは生き残るのに。そもそも小林/川上では書きたかった点が異なっていたのだろう、ということは認めつつ、それでも、「なんだこの差は」とちらっと思う。作者の性差に関係してる・・・なんて話は生理的に嫌ですが。