女優の脱ぐ仕事

スイミング・プール」、奇才フランソワ・オゾンの最新作だ。人気ミステリー作家、サラ・モートンシャーロット・ランプリングが演じる。そして、彼女を引っ掻きまわす、出版社社長の娘ジュリーに、リュディヴィーヌ・サ二エ。今回このひとはじめて見た。「焼け石に水」や「8人の女たち」にも出てたらしい。うーん、若さというのは確かにひとつの価値であるなあとしみじみ思った。弾けんばかりの肢体、なんて常套句だけど、実際に、その通りだったからね。生胸なんて果実並だよ。どうすんだよ。と誰にともなく語りかけたくなる気分。辛酸なめ子が、周りのみんなが「いかにも」なコメントを寄せてる中、こんなことを書いている。<身近に若く魅力的な娘がいたら、嫉妬せずに素直に魅力を認めてエネルギーを吸収させてもらう、それがサラに教わったアンチエイジング法です。>すばらしい。みごとなまでの逸脱。さすがの「辛酸なめ子」業だ。と、ちょっと感動。
 ジュリーの影響の影響を受け、最後にはサラ・モートンも裸体を披露する。えーと、シャーロット・ランプリングは1945年2月生まれ。ぎりぎり戦中派か。・・・そういえば、この作品の前に、「カレンダー・ガールズ」って映画の予告をやってた。舞台はイギリス。夫を失った悲しみを乗り越えるため、カレンダー・ガールに志願する中年女性をめぐるお話、らしい。ちなみに、カレンダー撮影はヌード。要するに、ポスト「フル・モンティ」ってとこかな。なかなか、感動を与えてくれそうな空気をたたえてた。しかし、今回言いたいのはだね、「カレンダー・ガールズ」の女性たちとシャーロット・ランプリングがほぼ同年齢だってことだ。どちらも、60近い女性のヌードに意味を見出しているのだが、その求め方が真逆。主観的な意味では「達成」で同じなのに。「カレンダー・ガールズ」にシャーロット・ランプリングが出演したら、かなりの混乱を招いてたこと必至だな。